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わが青春譜 東京帝大医学生の戦中戦後日記・抄

わが青春譜 東京帝大医学生の戦中戦後日記・抄

 能美市寺井町の医師徳久芳樹さんの父梯次郎さんが旧制四高と東京帝大時代に残した日記を収録しました。空襲体験をはじめ戦局が悪化する中でも医師を志して勉学や読書に励んだ記録や、戦中戦後を懸命に生きた青年の素直な心境がつづられています。
 梯次郎さんは1941(昭和16)年に旧制四高に入り、43年には東京帝大医学部に進みました。同大を卒業後、59年に帰郷して祖父が開業した徳久医院に勤務。学校医や能美郡医師会(現能美市医師会)会長を務めるなど地域医療の発展に尽くしました。
 2012年5月に梯次郎さんが88歳で亡くなり、遺品整理の際に日記を見つけました。大学ノート10冊につづられた日記には、1942年3月から47年6月にかけての出来事や心境がほぼ毎日記録されていました。本には、旧制四高2年だった梯次郎さんが19歳の誕生日を迎えた42年3月15日から、東京帝大4年だった47年6月2日までの299日分の出来事を収めました。
 東京大空襲に遭った際、火の手が迫った東大赤門を守りに行く臨場感あふれる様子や、戦局悪化に不安を覚えながらも勉学に励む前向きな姿がつづられました。戦中戦後の出来事を冷静に捉え、厳しい時代を懸命に生きる青年の息遣いが伝わる内容となっています。
 医学実習や臨床講義の様子をはじめ、「西田哲学」に影響を受け、地域医療に力を注ぐ決意を固めた心情も収めました。趣味の読書の書評や映画の感想、俳句・短歌、友人との交流や両親との語らいなども記しています。
  • 徳久悌次郎 著
  • 四六判、280ページ 定価2,200円(税込)
  • ISBN978-4-8330-2264-4
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