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廓(くるわ)のおんな | ||
金沢市玉川町の真宗大谷派光徳寺の坊守(ぼうもり)で作家だった著者が、1980(昭和55)年に初版したノンフィクション。茶屋街に生きた芸妓(げいこ)の生涯を通して、明治、大正、昭和の時代に息づく金沢が描かれている。 本書は、8歳から東の廓(現在のひがし茶屋街)に暮らす置き屋の女将(おかみ)を主人公に、芸の道に厳しく、艶(あで)やかに生き抜いた80余年の生涯が井上氏の綿密な取材によって活写され、花街の歴史や暮らしが詳しく記録されている。今では使われなくなった金沢弁の会話が当時の人々の息遣いと戦前の金沢の風情を伝え、郷愁を誘(いざな)う。 99(平成11)年に68歳で亡くなった井上氏の代表作に挙げられ、81年には大宅壮一ノンフィクション賞佳作を受賞した。郷土の名作を集めた「名著シリーズ」として発行した。
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